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ロマンノカケラ

あくまでも、ひっそりこっそりヤマトを語る……つもりのブログ。

はじめに…

いらっしゃいませ。
本日は【ロマンノカケラ】にお越しくださいまして有難うございます。

当ブログは宇宙戦艦ヤマト(Part1-復活篇)に関する管理人の思いや、
二次小説が主な話題となっております。
2199、2202について検索等されてお越しいただいた方には大変申し訳ございませんが
そちらに関する話題は、あまり多くはございません。

そのようなブログではございますが、
「構わないよ!」と思っていただけましたら、
どうぞ、ゆっくりと遊んでいってください。

楽しいお話が出来ればと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
最新記事はこの記事の下からになります。

Tovarishch 

2016/08/28
Sun. 21:20

【Tovarishch】はロシア語で仲間とか同士という意味だそうです。
今回は“同士”という方でタイトルに使いました。

ただ、この二人に“同士”という言葉が当てはまるかどうかというと
本当のところは疑問です。…まぁ、全般的には当てはまらないかな…。
ただ一点だけ。共通しているものがあると思いました。
その点においてのみ今回は考えて書いています。

もし…顔を合わせていたら。
解り合うことが出来たのでしょうか。

この先は妄想小話です。
お付き合いいただける方はお進みください。




- Tovarishch -


その日、彼は極秘で許可を取り
未だ立ち入り禁止区域となっているその場所へ足を踏み入れた。

ここへ来るのは初めてではない。
帰還後、数人の関係者とともに来たことがある。
だが今回は彼にとってその時とは別の意味を持っていた。
これは任務ではない。
男として、ひとつの区切りをつけるために来たのだ。
そう彼の心は彼自身に告げていた。
だから我儘を承知で特別に許可を取り、
もっとも信頼する彼女にも内緒で訪れた。

中は薄暗かった。
既に調査等を終え解体を待つばかりの状態の為か
今はほとんど足を踏み入れる者はおらずその必要もない。
無駄なエネルギーは極力まわされてはいなかった。
あの日、彼女はどんな思いでここを進んだのであろう。
どんな思いで銃を放ったのであろう。
軍人である以上、避けられない時はある。
だがそれでも…。
彼は出来ることならばそんな命のやり取りを
彼女にさせたくはなかった。
自分が傍にいれば…
あの時、手を離さなければ…
そんなことをさせなくてすんだのに。
後悔の念だけがその胸を痛めつける。

そんな痛みを堪えながら彼はなおも前に進んでいく。
途中、短い階段を上り終えた時、
何かに呼び止められたような気がしてふりかえった。
しかし…そこには誰もいない。
ここなのか?
それとも違うのか?
自分が歩いてきた静まりかえったその空間に
しばらく視線を送る。
だがやはり…それ以上は何も感じなかった。
気のせいだったか…
と思い直し彼は再び歩き始める。

やがて彼はその中枢にたどりついた。
そして以前の彼女と同じように
その小さな扉を開けてみる。

そこにはもう何もない。

ここにあったっであろう小さく、しかし大きな驚異は
あの日彼女が決死の思いで取り除いてくれたのだ。
40万光年を隔てて再会を果たしたあの日に。
それはどれほど苦しく困難なことであっただろう。
華奢な彼女の肩に重くのしかかった厳しい運命を思うとたまらなくなる。
それを懸命に成し遂げた彼女に誇りを感じつつも
そんな運命を背負わせてしまった不甲斐ない自分が許せなかった。
彼女と遠く離れていても、自分には心の通い合った仲間がいた。
だが彼女は…たった一人で戦い続けここにたどりついたのだ。

ため息をつきながら、ゆっくりと扉を閉める。
その手をしばらく離すことが出来ないまま、
彼はじっと彼女を想い続けていた。


気がつけば、ふらふらと歩いてきた通路を戻っている。
いったい俺に何が出来るのだろうか。
ここに来れば彼女の痛みを自らも感じ、
彼女を癒す術を見つけることが出来るかと思ったのに…
結局、彼女を苦しめた現実を突きつけられ
それに打ちのめされる自分を自覚するだけだった。
何もしてやれないのか、こんなにも自分は無力なのか。
そんなやり切れない思いを抱えながら
あの短い階段にさしかかった時、
再び何かに呼び止められる感覚に襲われる。

やはり…ここか。

彼は確信した。
階段を下りきると辺りをゆっくりと見渡す。
そして彼は目を閉じるとしばらくその場を動こうとはしなかった。

同じ女性を愛したもう一人の男。
その声をしっかりと聞くために。



辺りは既に暗くなり、小雨が降っていた。
まぁ、いい。車まではわずかだ。
たいして濡れずにすむだろうと
そのまま表へと出た彼の目に
傘をさし佇む優しい人影が見えた。
言葉を失い、その姿を見つめる。


あぁ、どうして。

どうして君は。

何も告げていないのに。
そんなにも
僕のことが解るんだ。

ここに足を運ぶことは
今の君にとって
何よりも辛いことのはずなのに。

どうして。

迎えに来てくれるんだ。

どうして。

微笑んでくれるんだ。

どうして。

そんなにも君は優しいんだ。

僕には君のその優しさが
どれほど深いものなのか
今はまだ解らないけれど。

だけど
一つだけ。
今の僕にもはっきりと解ることがある。

そんな優しい君だから
きっと愛されたのだということが。


溢れ出そうになる涙を抑え、
彼はそれを仰ぎ見る。
そこから見守っているであろう魂に
自らの決意を伝えるために。
決して手を取り合うことは出来なかった二つの魂は
たったひとつの想いによって今、響き合うようだった。

小雨の中、時が止まったように立ち尽くす彼に
心配そうに近づいていった彼女が
肩に手をかけようとしたその瞬間、
彼はふりかえり強く、ありったけの想いをこめて
その細い体を抱きしめた。

彼女の手から傘が零れ落ちる。
静かに、ゆっくりと…

言葉もなく
ただ、互いを慈しむように抱き合う。
ただ、愛おしいという想いだけをこめて。
それだけで…
それだけでいいのだということを
彼はこの時、ようやく悟っていた。

二人を濡らす冷たい雨は
二人にとっては互いの想いが溶け合うような
あたたかく、優しいものだった。

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コメント

つらくて…

このシリーズは実はすごくヤキモキして
なかなか自分では振り返る事ができない
のですが実はとても愛を全面に出した話
なのかな…と思います

男として消化しきれない思いもあったと
思います
ユキちゃんからすべてを聞き出せている
訳ではないし悶々とした思いも…

でもどこかで同じ女性を愛した男に魂が
共鳴したのかな…

ユキちゃんにとっては憎みたくても憎み
きれない相手?
悲しみを背負った彼に…自分への確かな
愛は感じていただろうし…

古代くんがこの場を訪れて分かった事は
改めてユキちゃんを大切に想う気持ちと
彼女と生きてく新たな覚悟…なのかな

ユキちゃんは強い
強いけど儚い…危うくて…でも気高い
驚くほど色んな一面を持っていて…
ある意味誰よりも兵士の心を持っていて
勇敢なのかもしれないですね

守られてるだけではない
魂の強い女性だなと思います

古代くんの言葉を通してぼんやりと
そんな風な事を感じました

でもなかなかつらくて見れないです(T^T)
ユキちゃんもだけど…自分を責める古代
くんを思うと苦しくなるから…シクシク




みすず #- | URL | 2016/08/28 21:53 * edit *

絵が浮かんできます (ToT) じぃん

古代君はその場所を訪れ、色々数々の反省と決意を自分に叩き込もうとしたのでしょうか。それは自分を痛めつけることでもあったのだろうけれど、そんな痛々しい気持ちも結局は雪が待っていてくれたことで許されて行く。「どうして。」という言葉が何度も繰り返され、けれど、「そんな優しい君だからきっと愛されたのだということが。」分かるんですねぇ。
優しさが雪の形となって動いている感じがします。雪は何も言わなくても、ふわっと優しい雪の雰囲気が伝わって来ます。
古代君にとって雪の手を放してしまったことは悔やんでも悔やみきれないことだけれど、敵の中にも雪に心を優しくされた人があったことは、当然のことだったんですね。

ゆきんこ #- | URL | 2016/08/29 06:17 * edit *

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

# |  | 2016/08/29 08:28 * edit *

Re: つらくて…

みすずさま
こんばんは。コメントを有難うございます。
お返事が遅れました、申し訳ありません。

>このシリーズは実はすごくヤキモキして
>なかなか自分では振り返る事ができない
連絡艇での別れの場面とか…
二人のファンにとっては辛い部分がありますね。

>実はとても愛を全面に出した話
>なのかな…と思います
そうですね、二人の間のものだけでなく
色んな形の愛があった気がしますね。

>男として消化しきれない思いもあったと思います
シリーズ全般を考えても何か淡泊でねぇ(^^;)
しかし「永遠に」の後はさすがにそうでなかったと思いたい。

>ユキちゃんからすべてを聞き出せている訳ではないし
ユキがどこまでをどんなふうに話しているかは分かりませんし
それをどう考えるかで創作の内容も変わってくるでしょうね。

>でもどこかで同じ女性を愛した男に魂が
>共鳴したのかな…
ユキの幸せと笑顔を望む気持ちは同じかもしれませんね。

>古代くんがこの場を訪れて分かった事は
>改めてユキちゃんを大切に想う気持ちと
>彼女と生きてく新たな覚悟…なのかな
さぁ…何を聞き、何を思い、何を決意いたのでしょうねぇ。

>自分を責める古代くんを思うと苦しくなるから…シクシク
彼はシリーズを追うごとに自分を責めて追いつめていった…
そんな気がしますねぇ。
そんなに背負いこむな…と言っても無理でしょうね。
それが古代進だと思うから。


亜矢 #- | URL | 2016/08/29 21:05 * edit *

2人

最近、しみじみ思うのですが、ヤマトって古代の成長物語ですよね。
だからユキとの付き合い方もちゃんと成長している。
私は「2」の2人があったから、このときの困難も乗り越えられたのかなと思っています。

いろいろと話もしたでしょうが、ただ黙って抱きしめあった時間が、2人を癒やしたのかもしれません。

れおれお #Sm/ug.UM | URL | 2016/08/29 21:05 * edit *

Re: 絵が浮かんできます (ToT) じぃん

ゆきんこさま
こんばんは。コメントを有難うございます。


>古代君はその場所を訪れ、色々数々の反省と決意を
>自分に叩き込もうとしたのでしょうか。
う~ん、どうですかね~
彼が何を思いあの場所へ足を運んだのか…
色々考えられますかねぇ。

>結局は雪が待っていてくれたことで許されて行く。
もがいてもがいてうちのめされて。
でもそこに必ずいてくれるのですね、ユキが。

>「どうして。」という言葉が何度も繰り返され、けれど、
>「そんな優しい君だからきっと愛されたのだということが。」分かるんですねぇ。
彼はひょっとしてまだユキの素晴らしさの一部しか
知らないのかもしれませんね、そんなこと考えたこともなかったけれど
ふと、そう思いました。

>優しさが雪の形となって動いている感じがします。
あぁ、なんか嬉しいです。そんなふうに言っていただけて。

>敵の中にも雪に心を優しくされた人があったことは、当然のことだったんですね。
あぁ、うん。ユキに惹かれる者がいることは
彼にとって何も不思議なことではないのかもしれませんね。
たとえそれが敵であったとしても…。

亜矢 #- | URL | 2016/08/29 21:13 * edit *

Re: No title

○○○ーさま
こんばんは。コメントを有難うございます。

愛したからそうだったのか。
そうだったから愛したのか。
どちからは分かりませんが○○○ーさまの仰ることも
きっとあると私は思います。

そうですね、きっとあちらの彼はそう言うでしょう。
でもこちらの彼がそう言えるまではまだまだ…
そんなあまりに未完成なところが魅力でもありますね。

あの二人の心の叫び声が私にも聞こえた気がしますよ(*^^*)

こちらこそ、読んでいただいて有難うございました。


亜矢 #- | URL | 2016/08/29 21:19 * edit *

Re: 2人

れおれおさま
こんばんは。コメントを有難うございます。

>最近、しみじみ思うのですが、ヤマトって古代の成長物語ですよね。
えぇ、正しく。
それを見ながら自分たちも年齢を重ねてきたという感じですね。

>だからユキとの付き合い方もちゃんと成長している。
いつも、ダメだダメだと言ってるけれど
彼はちゃんと成長しているのですよね、じれったいけど(^^;)

>私は「2」の2人があったから、
>このときの困難も乗り越えられたのかなと思っています。
それはもう間違いないかと。
特に古代くんは「2」でユキという存在が自分にとって
いかなるものかを認識したと思います。
それくらい、ユキの彼を愛する覚悟はすごいとも思う。

>いろいろと話もしたでしょうが、
>ただ黙って抱きしめあった時間が、2人を癒やしたのかもしれません。
言葉もあったとは思うのですが
お互いのぬくもりこそがもっとも傷を癒した気がしますね。

亜矢 #- | URL | 2016/08/29 21:25 * edit *

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