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ロマンノカケラ

あくまでも、ひっそりこっそりヤマトを語る……つもりのブログ。

はじめに…

いらっしゃいませ。
本日は【ロマンノカケラ】にお越しくださいまして有難うございます。

当ブログは宇宙戦艦ヤマト(Part1-復活篇)に関する管理人の思いや、
二次小説が主な話題となっております。
2199、2202について検索等されてお越しいただいた方には大変申し訳ございませんが
そちらに関する話題は、あまり多くはございません。

そのようなブログではございますが、
「構わないよ!」と思っていただけましたら、
どうぞ、ゆっくりと遊んでいってください。

楽しいお話が出来ればと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
最新記事はこの記事の下からになります。

小さな幸せ 

2016/12/04
Sun. 22:34

前々から思っていたのです。

武器を持たず、喧嘩をせずユキを守る
カッコイイ古代くんを書いてみたいと。
で、挑戦してみました。
自分では大分冒険したつもりです。
どう考えても普段の自分の小話じゃない(^^;)

ちょっとイメージじゃない古代くんかもしれませんが
二人の小さな幸せが皆さんに伝わったら嬉しいです。

お付き合いいただける方はこの先へお進みください。




- 小さな幸せ -



『言い過ぎだ、ユキ。』

その声にその場にいた誰もがかたまった。

―古代進。

21歳という若さでヤマトの艦長代理を務める男。
地球人であればその名を知らない者はおそらくいないであろう。
そして今まさに、この場で話題にのぼっていた男である。

『申し訳ありません。』

古代はユキの脇に立つ自分よりも上背のある
端正な顔立ちの男に頭をさげた。
古代のそんな姿を見たユキが慌てて声をあげる。

「ちょ、ちょっと古代くん…」

やめて!そんな事しないで。この人は…
と続けようとするユキを古代はやんわりと睨み制す。
“黙っていろ”…古代がそう言っているのを感じたユキは
仕方なく、だが不満そうに従った。
ユキが大人しくなるのを確認した古代は
ごく自然にユキと男の間に入り込みその背中に彼女をかばう。

『これが、失礼を申し上げたようで。』
「これ?」

古代のその一言に男が怪訝そうに片方の眉をあげる。
端正な顔がわずかに歪んだ。
彼以外にその場にいる者達は事情を知っている。
だからこそ、この光景を興味深く見守っていた。
そして…“これ”と言われた当のユキは

(何よ、“これ”って…。)

とますます不満そうである。

『ええ。私の監督不行届きの結果ですので。』
「君の監督不行届き?」

ぷーっと無責任なギャラリーの吹き出す声が聞こえる。
それにやや不機嫌そうな視線を送ったあとで
彼は再び古代を見ると問いかけた。

「どういうことだね?」
『彼女のことは自分に責任がありますから。』
「さっぱりわからん。何故君に?」

内心、“まだ解らないのか。面倒くせぇ奴だ。”と思ってはいたが
表面上はあくまでも冷静に、だかはっきりと
古代は彼に最後通告をした。

『私の婚約者ですので。』

静まり返る室内。
男は古代のひと言に魂が抜けたような顔をしていた。


ところで、この騒動は一体何なのか…
時間は少しだけ遡る。


***********


12:00を過ぎた秘書室。
片隅ではユキの後輩にあたる秘書達が一冊の雑誌を囲み話をしていた。
その内容を知っているユキは苦笑いをしていたが特に嫌な気がしていたわけではない。
だが…

「まったく…あんなののどこがいいんだ?」

その一言がユキを不快にさせるキッカケだった。

「偶然にメンバーに選ばれてちょっとばかり運がよかっただけだろう?
それなのに、偉そうにして何か勘違いしてるよな。」

その男はつい最近異動で司令本部に配属された者だった。
それなりの肩書を持ってはいるが特に目立った功績・実績があるわけでもない。
軍属の者でそれがあるということは、裏を返せば平和ではないということにもなるから
その事自体を責める気はないのだが、今この男が批判している相手が
彼自身には想像もつかないくらいの苦悩を抱えて生きていることを知っていたから。

(何も知らないのに…)

ユキはデスクの上に置いた手をぎゅっと握りしめて
反論したい衝動を抑えていた。

「森さん、一緒にランチいかがですか?」

男がユキに声をかけたのはそんな時だった。
ユキは頭上からかけられた声に顔をあげると自分を見つめる
そのいやらしい視線にぞっとする。
すぐに目を逸らして答えた。

「私、他に約束がありますので。」

そう言うと立ち上がり男の横をすり抜けようとした。
しかし男は瞬時にユキの手首をつかみひきとめる。

「今日もですか?一昨日も昨日もでしたよね。
やはり美人は人気がありますねぇ…
では明日は?いい店を見つけたんですよ、ぜひご一緒に。」
「いえ、私…」

はっきり言ってしまいたいがそれでは角が立つ。
どうやって断ったらいいものかと泳がせた視線が仲間の秘書のいる方向に向くと

「森さんもあの男に興味があるんですか?」
「えっ?」
「古代進ですよ。」
「………。」
「やめた方がいいですよ。あの男は偶然が重なって功績をあげただけです。
実力じゃない。それを自分の実力と勘違いしていい気になっているだけだ。」

男の、古代に対する批判はなおも続いた。
部下を大勢死なせたくせに
何事もなかったように軍にしがみついているだの、
上官を上官とも思わない生意気な態度をとるだの…
他にも真実とは違う耳をふさぎたくなるような酷い誹謗中傷だった。

「もうやめてくださいっ!」

ついに我慢の限界を超えたユキの思いが言葉になる。
そのあまりの勢いに男は掴んでいた手を離した。

「仲間を亡くして平気な人なんていません。
でもそれを毎日言葉や態度に表していないからって平気だと思うんですか?
痛みを抱えて、責任を背負って、押し潰されそうになって…それを誰にも見せずに
生きてる人だっているんです。あなたは古代さんの痛みを知って仰っているんですか?
何を知って、何を見て、そんなこと…そんなこと言う権利、あなたにっ……」

古代が二人の会話に割って入ったのはこの直後だった。
そして突然現れた自分の批判対象に驚く男を残し
古代はさらうように恋人をランチに連れ出したのだ。



*********


『なぁ、もう機嫌直してくれよ。』
「知らない。」

並んで食事をしているのにユキはそっぽを向いて古代の顔を見ようとしない。
異星人にも、偉そうな上官にも怯むことはない古代の唯一の弱点は
やはりこの美しい婚約者であることは明確であった。

『もう済んだことだろ?そんなに怒るなって。』
「だって…」
『悪かったよ。人前で叱ったりして。』
「そんなことじゃないわっ!」

くるりと古代の方へ向き直ったユキの瞳はわずかに潤んでいた。
悔しくてたまらない…そんな表情だ。

「私、そんなことで怒ってないわ。」
『じゃあ、何だよ。』
「……どうして、あの人に頭を下げたの?」
『あっ?』
「だからっ!どうして古代くんが謝るのよ?」
『あ~っ。』

なんだ、そんなことか…と古代は笑う。
負けん気の強い彼女らしいと思った。
要するに…ユキは人前で叱られたことより
俺があの男に頭を下げたことが気に入らないのだろう。
周囲に古代進が負けたと思われるのが嫌だったに違いない。
自分より、俺を大事に思ってくれているからこそなんだよな…
とユキの心遣いを嬉しく感じていた。

『じゃぁ、殴った方がよかったか?』
「そんなこと、言ってないでしょ!」
『くくくっ…』

ムキになるユキを見て古代は笑いが止まらなかった。
可愛くて、愛おしくて、今すぐ抱きしめたかったが
さすがに人前であることを意識して衝動を抑える。
だが抱きしめる代わりに彼はこう言った。

『俺が負けたと思う奴は勝手にそう思っていればいい。』
「?」
『君が無事なら、それでいいんだ。』

そう言って古代はユキの食べていたサラダの中から
トマトをつまむとポンッと口に放り込み満足そうに笑った。

ぽっと頬を染めるユキ。

解っていた。
しつこく自分に言い寄ってくるあの男から
古代が大人の対応で自分を守ってくれたことを。
だがその為に、古代が下げる必要もない頭を下げたことが
たまらなく嫌だったのだ。
古代が間違っている相手に屈したと思われてしまうかもしれない、
それが悔しかった。そして…
照れ屋の古代に“婚約者”と口にさせてしまうまで
あの男を近寄らせてしまった自分の落ち度も許せなかった。
そんなイライラを古代にぶつけてしまったのかもしれない。
だがその古代は…
どうってことない顔をしてユキの皿から奪い取ったトマトを頬張っている。

(この人は、本当に…)

無邪気な古代の横顔を見つめながらユキはつくづく思う。
待遇や出世、人の評価など考えない人なのだ。
そんなものに何の意味がある?…くらいなのだろう。
時と場合によっては従来持っている照れくささまで飛んでいく。
きっと私を守る為に全部忘れちゃったのだろう。
自覚した時、どれくらい落ち込むのかしら?
と少しばかり心配になる。
だが先ほどの古代は惚れ直すくらい素敵だった。
言葉通り殴っていれば一瞬で決着がついていたであろう。
18の頃の古代であればそうしていたかもしれない。
それをせず穏便に…それでいて相手にはしっかりと釘を刺したのである。
いつの間に、こんな大人になっていたのであろうか。

「ありがとう、古代くん。」

ユキはようやく、古代に礼の言葉を口にした。

『?』

きょとんとして古代がユキを見つめる。
ちょっと恥ずかしそうに、ユキは続けた。

「本当はちょっと困ってたの。あの人しつこくて…」
『いつから?』
「えっ?」
『いつから言い寄られてたんだよ?』
「うーん、いつからかしら?気がついたらいつの間にか近くにいて。」
『あのなぁ~』

それなら何でもっと早く言わないんだよ。
俺が行かなきゃどうなってたんだ?

今度こそ本気で叱ってやろうと思ったのに
首を傾げて呑気に答える姿を見ているとそんな気も失せていく。
以前からうすうす感じてはいたが
どうやら自分は本当にユキには弱いようだ。

(しかたないかなぁ~)

諦めるしかない古代は再びユキのサラダに手をだした。

「ちょ、ちょっと古代くん~」
『ん?』
「それ、私のなんだからっ!」
『いいじゃないか、ちょっとくらい。』
「だめ。あ~、もうこんなに食べちゃってっ!」

むくれるユキと、からかう古代。

ユキだけを守れること。
古代だけを見ていられること。
二人で笑い合えること。

この星が…
ひとたび危機に陥れば
顔つきすら変わってしまう彼らが
本当に、心から望んでいる
小さな小さな幸せのひととき。

差し込む午後のあたたかい日差しを受けて
言葉にこそ出さないけれど
二人はその小さな幸せをかみしめていた。


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コメント

むふ(*^^*)

Twitterでもコメしましたがあの失礼な
男に心の中でアッパーを食らわしてます

実際に帰還後の古代くんに対しては
こういう嫉妬めいた誹謗中傷があったの
だと思います(ーー;)
時には事実をねじ曲げて嘘がさも真実で
あるかの様に勝手な憶測も混じって…

同乗してた人間や彼の近い関係者でない
限り古代くんの苦悩を理解してはあげられ
ないのでしょうね

彼は大人になったんですね
ならざるを得なかったのでしょうけど
ちょっとカッコいいぞ♥古代くん(*^^*)

雪ちゃんの啖呵も気持ちよかったです

そしてあの失礼な男がどうなったか?
司令部での翌日の彼を覗き見てほしい
ものです
陰口たたかれてしまえーっ(* ̄∇ ̄)ノ

(恋はさておき…)
女の嫉妬は恐いですが男の嫉妬は何だか
人間を小さく見せますね

でもちょっとヤンチャな頃の彼だったら
殴ってた…みたいなとこ読んで…
そっちも見たいなと思ってしまう私(*^^*)
罪な女ですにゃあ…(笑)

みすず #- | URL | 2016/12/04 23:58 * edit *

この2人ったら、もう~ o(^o^)o

古代君も雪も、似た者同士ですね (^^)。相手に対して必死になるところ。
けれど、お互いがまた、自分自身には無自覚で無頓着で無防備で。

『きっと私を守る為に全部忘れちゃったのだろう。
自覚した時、どれくらい落ち込むのかしら?』

”古代君”ですよね~。仰る通り~ o(^o^)o♪と、思いました!!

今回は古代君が格好いいけれど、雪の

『あの男を近寄らせてしまった自分の落ち度も許せなかった。』

という所も、とっても雪らしい!こういう潔癖さと気の強さが、読んでいて、私がとても嬉しくなりました。

ゆきんこ #- | URL | 2016/12/05 05:45 * edit *

Re: むふ(*^^*)

みすずさま
こんばんは。コメントを有難うございます!

>Twitterでもコメしましたがあの失礼な
>男に心の中でアッパーを食らわしてます
あははっ!哀れ…古代に殴られなくても結局は(^^;)

>実際に帰還後の古代くんに対しては
>こういう嫉妬めいた誹謗中傷があったの
>だと思います(ーー;)
ああ~、あったでしょうねぇ。
若いのに功績をあげ美人の彼女がいて…
面白くないでしょうなぁ。

>彼は大人になったんですね
>ならざるを得なかったのでしょうけど
はい。腕力以外でユキを守らせようとすると
こういう選択になったのですが
精神的に大人になっていたとは思いますよ。
よく泣くけどね(笑)

>ちょっとカッコいいぞ♥古代くん(*^^*)
やったねぇ~♪

>雪ちゃんの啖呵も気持ちよかったです
意見はちゃんと言える女性だと思うのです。
堪えることもきっと出来るかな?
でも言う時にもあくまでも下品にならないように…
そんなことは注意したつもりですが
いかがでしたでしょうか?

>そしてあの失礼な男がどうなったか?
翌日以降も腑抜けですよ、きっと(笑)

>女の嫉妬は恐いですが男の嫉妬は何だか
>人間を小さく見せますね
あっ!確かに、そうですねぇ~

>でもちょっとヤンチャな頃の彼だったら
>殴ってた…みたいなとこ読んで…
>そっちも見たいなと思ってしまう私(*^^*)
>罪な女ですにゃあ…(笑)
はははっ。戦う様子を文章にするのが
なかなか困難なのですわ~
やんちゃ古代は大好きなんですけどねぇ~

亜矢 #- | URL | 2016/12/05 21:39 * edit *

Re: この2人ったら、もう~ o(^o^)o

ゆきんこさま
こんばんは。コメントを有難うございます!


>古代君も雪も、似た者同士ですね (^^)。相手に対して必死になるところ。
そうですね、二人とも自分より相手なのですよね。

>けれど、お互いがまた、自分自身には無自覚で無頓着で無防備で。
そうそう。自分のことは後回し~って感じですかね。

> ”古代君”ですよね~。仰る通り~ o(^o^)o♪と、思いました!!
へへへっ。本当は最後までカッコイイ古代くんにしたかったのですが
まぁ、やっぱり、ちょっと…無理だったかな(笑)

>今回は古代君が格好いいけれど、
やった!有難うございます~ヽ(^o^)丿

>雪の『あの男を近寄らせてしまった自分の落ち度も許せなかった。』
>という所も、とっても雪らしい!こういう潔癖さと気の強さが、
>読んでいて、私がとても嬉しくなりました。
よかったです~
ユキは女性らしい女性だと思うけれど
実は結構気が強いというか、負けん気が強いというか…
そういう部分があるかなぁ~と思ったので(*^^*)

亜矢 #- | URL | 2016/12/05 21:48 * edit *

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