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ロマンノカケラ

あくまでも、ひっそりこっそりヤマトを語る……つもりのブログ。

はじめに…

いらっしゃいませ。
本日は【ロマンノカケラ】にお越しくださいまして有難うございます。

当ブログは宇宙戦艦ヤマト(Part1-復活篇)に関する管理人の思いや、
二次小説が主な話題となっております。
2199、2202について検索等されてお越しいただいた方には大変申し訳ございませんが
そちらに関する話題は、あまり多くはございません。

そのようなブログではございますが、
「構わないよ!」と思っていただけましたら、
どうぞ、ゆっくりと遊んでいってください。

楽しいお話が出来ればと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
最新記事はこの記事の下からになります。

限りあるからこそ… 

2017/03/03
Fri. 23:41

2202が盛り上がっている中…
相変らずの旧作の話題ですみません(^^;)

色んな意味で練習用に書いたものなので
upするのはどうしようか…とちょっとだけ考えたのですが
せっかく書いたのでupすることにしました。

書き始めた当初は冒頭に登場する人の話として書いていたのですが
いつの間にか…あれ?あれれれれれ?
まぁ、しかたがないかな。
やっぱり彼を愛しているようなので(笑)

ということで(どういうこと?)
お付き合いいただける方はこの先へお進みください。



- 限りあるからこそ… -

土門竜介は自室で一枚の写真を見つめながら考えこんでいる。
そこには以前は確かに存在していた幸せがあった。
父と、母と、自分…。だが今存在するものはその幸せがどこにもないという事実だけだった。
父も、母も、そしてここで昨日まで自分を育ててくれた人さえも、もうどこにもいないのだ。
彼はずっと憧れていた。ヤマトにも、あの男にも。
いつの日か必ず乗ってみせると思っていたこの艦に予想以上に早く乗ることが出来た。
間近でその憧れの人物を見ることも出来る。その点では自分は恵まれていることは間違いないと
彼は思ってはいた。しかしそれは確かにあったあの幸せと、
そして平和とのひきかえだったような気もしてならなかったのだ。
 
人はなぜ生まれてくるのだろう?いずれ命はつきるものなのに…
 
自分にとってかけがえのない人がいなくなる…それも理不尽な形で命を奪われて。
土門は自分の中に生まれくることへの小さな疑問がわき始めていることを自覚していた。
さらには憧れのあの男と自分にはあまりにも大きな差があることも。
決して楽とは言えない戦闘訓練をつんできていながら、
実戦を経験した彼の心はひどくうちのめされていた。
戦争になれば命を落とす者がいることはわかりきっていたはずなのに、
立ち直ることができない自分が腹立たしい。
それに比べいつも通りのあの男の存在が彼にはあまりに大きく、遠く感じられた。

「俺が弱いのか?あの人が冷徹なのか?」

まるで何ごともなかったかのように振る舞う姿を思い出す。
「あれが英雄とよばれる男の条件なのか?
強くなるということは、一人前になるということは、ああいうことなのか?」 と、
何度も何度も考える。 一人きりの部屋で土門はまるで永遠に出口の見つからない迷路に
迷い込んでしまったような…そんな心境になっていた。


艦内時間では深夜になろうとする頃、艦長室には信頼していた部下をなくしたユキと、
信頼していた友をなくした古代が言葉もなくすぎゆく星々を見つめている。
いったい、どれほどの間そうしていたのだろうか。艦外を見つめたままの古代が口をひらいた。

「あいつの様子はどうだ?」
「変わりないわ」

ユキも古代を見ることなく淡々と答える。

「本当か?」

少々驚きながら問い返した古代がユキに顔をむける。
つられるように古代に視線をむけたユキは「えぇ…」と静かに答えてうなづいた。だが…
「表向きはね。内心はわからないわ」とつけくわえる。
ユキ自身もたった今自分が言ったことが真実だとは思っていない…そんな言い方だった。
内心、「やっぱりな…」と思った古代ではあったがそれ以上深く聞き出そうとはしない。
それどころか「そうか。まぁ、よろしく頼む。」
そう言うと再びその視線を艦外にむけてしまった。
一方ユキはあまりにあっさりと引いた古代に納得がいかない。

「それは…私の部下だからそのつもりだけど。気になるなら様子を見に行けば?」

少しばかり面白くなさそうに言ってみたが古代の答えははりあいがない。

「うん、まぁ…それは君にまかせるよ」

なんとまぁ、歯切れの悪い反応であろうか。
乗組員の前では常に迷いなどなく瞬時に的確な判断をくだすイメージの彼が見せた
自信なさげな一面。こんな一面を新人たちが知ったらびっくりするであろうが、
長い付き合いのユキにとってはめずらしいものでもなんでもない。
こういった時はどう対応すべきか…すっかりなれたものだった。

「大丈夫よ。あなたが見込んだ子ですもの」

優しく微笑む彼女。彼はその微笑みに励まされたのか、
それまでより、幾分明るい表情を見せると言った。

「俺に見込まれるのがいいことかどうかはわからんぞ」
「あら?あなたを見込んだのは私だわ。じゃぁ私は見る目がないってことかしら?」
「そうかもしれないな」

「もう!言ったわねっ!」「はははははっ」二人の楽しそうな笑い声が室内にひびく。
だがそれはわずかな時間でしかなく、すぐにぴりりと空気がしまるのを互いに感じていた。
二人はまるで真剣勝負でもするかのような表情で見つめ合っている。

「あなたこそ、どうなの?」

先に切り出したのはユキだった。
それにしても何という直球だ。こんな隙のない問い方をする時の彼女をごまかせるわけがないと、
観念した古代はやれやれという様子を見せる。

「大丈夫だ…と言いたいところだが、ちょっとばかり堪えてはいるよ」
「やっぱり」

彼女がその愛らしい頬をわずかにふくらまして抗議してきた。
そんな彼女の顔をのぞき込むように、いきなり顔を近づけて古代は反撃に出る。

「君もひとのことは言えないだろ?」

こっちもやはり直球だ。一瞬で形勢が逆転したようになった。

「ん…」

言葉につまって戸惑うユキの可愛さに、古代はもう少しいじめてやりたい心境だったが、
あまりからかい過ぎて機嫌を損ねても面倒だ。…いや、それはそれで楽しいのだが、
今はそういう時でもなければ、ここがそういう場所でもないことを、
こんな時に限って思い出してしまう。再びユキと距離をとった古代は静かに言う。

「俺たちでさえこうなんだ。あいつは…」

その空間がながいながい沈黙につつまれる。言うべきか、よすべきか…と迷い、
しかし何かを思い決意した古代は語り始めた。

「いくら訓練をつんでも、これだけは鍛えられるものじゃない。いや、
鍛えられてはならないものなんだ。誰かの命が失われることに慣れてはならない。
しかし、とらわれたままでは進めない。だが今は…俺がいくら言葉で言っても心にはひびかないだろう」
「……」
「誰かに言われて理解できることと、自分で気づいて初めて理解できることがある。
今頃あいつは目の前で命が失われた現実を受け入れなければならないと思いながら、
どう受け入れればいいのか、どう振舞えばいいのか、悩んでいるだろう。
生きることの意味すら見失っているかもしれない。だが今回の現実がもたらしたことが何なのかは、
あいつ自身が自分で気づかなければならないことなんだ」

ユキは言葉もなく痛々しいまでの古代の視線を真正面から受けとめている。
かつて自らの力で道を切り開かなればならいことの苦しさと難しさを、
彼が身をもって知っていく姿をずっと見つめていた。
だからこそ、今苦しんでいるであろう部下にうかつに声をかければためにならないこともわかっていた。
ただ見守るしかできないことも……。
「でも…」古代がちょっと言いにくそうに言う。
「君の言葉ならば…あいつの心にしみわたるかもしれない」と。
それを聞いたユキが驚いて小さく声をあげた。
 
「かつて、そんな男がいたからな…」
 
言ってから恥ずかしくなったのであろうか。
ユキから視線をそらすと古代は再びきらめく星々を見つめる。
その表情がいつしか昔をなつかしむようなものになっていた。
ユキはただ黙ってその横顔を見つめていたが、やがて静かに首をふり言った。

「あなたは自分で見つけ出したのよ。生きることがどういうことか、
生まれてくることにどんな意味があるのかを。
つきるからこそ、限りがあるからこそ精一杯生きることで輝くものがあるということを」

『自分で見つけ出した』ユキのそんな言葉に驚きながらも、
古代は自分の心が喜びを感じていることを自覚していた。
ユキに認めてもらえたような気がしたのかもしれない。
古代にとっては軍や全人類に認めてもらうことよりも、たったひとり…
今目の前にいるこの女性に認めてもらえることは、それ以上ない喜びなのかもしれなかった。
古代のその喜びをユキが知っているかどうかはわからない。
だが、彼女は古代が今抱えている不安をやわらかく受けとめるような微笑みを彼にむけながら言った。

「大丈夫、きっと見つけ出してくれるわ。きっと…」
「……」
「あなたの見込んだ子ですもの」

時が止まったように、古代はユキをじっと見つめていた。
触れたい、抱きしめたいという衝動を懸命に抑えながら。
こんなにも、自分を理解してくれる存在がここにある。
こんなにも自分を信じてくれる存在がここにある。
これほどの幸せがあるだろうか。

「ユキ…」

精一杯の笑顔を見せて、精一杯の感謝をこめて。
古代はその名をそっとよぶ。それだけでしかない。
近づくことも、触れることもしないまま、それでもその思いをつたえようとして。


逝ってしまった魂の安らかな眠りを祈りながら…
自らが生きる術を、生きる意味を、懸命に見つけ出そうとする若者たち。
今も傷つき迷う心も、信じるものに癒された心も、それらを愛し慈しむ心も…
すべての心と思いを乗せて艦は信じる未来へと進んでいく…。

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コメント

ふたり

英雄とよばれる男が…必ずしも強いとは
限らないですよね
何をもって一人前と呼ぶのかも…

土門くんが思うものと古代くんが感じる
ものは違う
環境も立場も違うしそれは当然な事でも
ある訳で…

自分で答えを出さなければいけないとい
う事を古代くん自身…これまでに嫌と言う
程思い知ってきたんでしょうね(T-T)

雪ちゃんが言う様に古代くんも結果的には
とことん悩みぬいて…迷って…闇を見て
それでも雪ちゃんの存在を心の支えに立ち
上がってきた
それはやはり古代くんの中にある強い部分
だと思います

土門くんは男だし…やはり余計な口出しは
せずに見守るのが古代くんかなぁ
それをまた見守るのは雪ちゃんの役目

会話だけなのに…この2人は大切な局面
でお互いの弱さや強さを理解しあってる
なぁって感じです

言うべきとこは譲れないから喧嘩も
派手にしちゃうんでしょうけどね(*^^*)💦


みすず #- | URL | 2017/03/10 13:51 * edit *

Re: ふたり

みすずさま
こんばんは。コメントを有難うございます。

>英雄とよばれる男が…必ずしも強いとは限らないですよね
はい。孤独な部分もあると思いますよ、きっと。

>環境も立場も違うしそれは当然な事でもある訳で…
二人は境遇は似ているのですが違う部分も多いと思います。
古代くんが新人の時の沖田艦長は、もう人間として相当の経験を積んでいた。
土門くんが新人の時の古代くんはまだまだ若いですからね。
育てようと考える古代くんの方も自分と沖田さんの差を感じていたのではないですかね。
また、古代くんには当初は恋人ではなかったけれど
ユキという存在もありましたから。

>自分で答えを出さなければいけないとい
>う事を古代くん自身…これまでに嫌と言う
>程思い知ってきたんでしょうね(T-T)
きっとそういうこと、あったのではないですかねぇ。

>それはやはり古代くんの中にある強い部分だと思います
強くはないというよりはむしろ、弱いというか脆いと思う古代くんですが
それでも向かっていくから、そういう強さがあるのでしょうねぇ。

>土門くんは男だし…やはり余計な口出しはせずに見守るのが古代くんかなぁ
>それをまた見守るのは雪ちゃんの役目
うん、きっとそんな感じだと思う。

>この2人は大切な局面でお互いの弱さや強さを理解しあってる
>なぁって感じです
わかるのでしょうね、お互いにお互いのことが。
きっとわかりすぎるくらいわかっちゃう。

>言うべきとこは譲れないから喧嘩も
>派手にしちゃうんでしょうけどね(*^^*)💦
いや、すごそうだわ、それ~(笑)


亜矢 #- | URL | 2017/03/10 22:56 * edit *

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