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ロマンノカケラ

あくまでも、ひっそりこっそりヤマトを語る……つもりのブログ。

はじめに…

いらっしゃいませ。
本日は【ロマンノカケラ】にお越しくださいまして有難うございます。

当ブログは宇宙戦艦ヤマト(Part1-復活篇)に関する管理人の思いや、
二次小説が主な話題となっております。
2199、2202について検索等されてお越しいただいた方には大変申し訳ございませんが
そちらに関する話題は、あまり多くはございません。

そのようなブログではございますが、
「構わないよ!」と思っていただけましたら、
どうぞ、ゆっくりと遊んでいってください。

楽しいお話が出来ればと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
最新記事はこの記事の下からになります。

その時のために 

2017/10/13
Fri. 21:34

こんばんは、管理人でございます。
明日が2202第三章公開だというのに
私はマイペースでございます(^^;

あ、行きますよ、明日は。
でも、今日は小話です。

昔から、奥さんが旦那さんのことを人前で苗字で呼ぶことに憧れておりました。
それをユキに言ってもらいたいなぁ~なんて。
そうすると時期はこの辺りになっちゃうのですよね。
この時期を選ぶとどうしても明るい話にはならないのですよね。

そんな小話ですが、お付き合いいただける方は
この先へお進みください。

いつまでもupしないでいると、いつまでも変更したくなっちゃうので
もう、ここで思い切ってupします~(めちゃくちゃな理由だな)





- その時のために -


宇宙科学局長官室。
そこに二つの人影があった。
科学局長官・真田志郎と、地球にとって今はもう伝説となった男・古代進の妻ユキである。

「本気なのか?」

眼下に広がる街並みを見下ろしながら、ユキに問う真田。

「はい」

その真田の背中に向かってユキは力強く答えた。
真田は思う。目の前の窓ガラスに映るユキの姿が美しい、
その姿にはかつてと変わることのない意志の強さがあると。
華やかな繁栄を遂げた地球の街並み。それも確かに美しいものだった。
だがそれは、ただ形よく造られただけの美しさであり、
それに比べてユキの美しさは、血の通う生きた美しさだった。

だからこそ、真田は苦悩する。

ユキが一度言い出したら聞かないことも、ユキ以外にその任務の適任者がいないことも、
真田にはよく分かっていた。だが……真田の脳裏に二十年前の苦い記憶がよみがえり、
耳には繰り返し繰り返しユキの名を呼ぶ古代の声が響く。
この生きた美しさを持つ女性を、危険の中に送り出す決断ができない。

「しかし、古代の留守中に」

言葉には記憶が見せる戸惑いが滲んでいた。

「待っていたら、間に合いません!」

ユキは、そうキッパリ言って真田に決断を迫る。
その勢いに反射的に振り返った真田は、ユキの強く翳りのない眼差しに捉えられてしまった。

「今ここに、あの人がいれば間違いなく行くことを決断するでしょう。
でもあの人は、まだこの危機を知りません。ですから!」

絶対に引こうとはしないユキ。真田はユキのそんな姿を、以前にも見たことを思い出した。
そしてこんな目をするユキを止められるわけがないと、彼はついに観念する。

(古代、すまん……)

言葉にせず、その胸の中で古代に詫びた後で

「今さら言わなくても分かっているだろうが、危険がないとは言えないぞ」

と諭すように言った。するとユキは凛として答える。

「それは当然です。宇宙に出ればどんな危険が待ち受けているか、
誰にも分かりません。でも危険は地球にいたってありますから」

覚悟を決めているユキの様子に、真田はふっと笑みをこぼした。

「君は、変わらないな」
「えっ?」
「18の頃と変わらない。信じる道を“強引に”進む姿がな」
「強引……ですか?」
「強引にコスモクリーナーを動かしたじゃないか。俺はあの時、止めたはずだぞ」

それは、真田とユキがともに旅をしたヤマトの最初の航海の帰路。
地球を目前に陥った危機的状況から脱するために、
ユキは誰も思いつかなったテスト前のコスモクリーナーDを動かすという方法を選択した。
あまりに危険な賭けだった為、懸命に制止した真田をユキが押し切ったことを、
真田は“強引”と言っているのであろう。
もっともそれはユキが古代を強く、そして深く愛するゆえのことではあるが、
強引であったことには変わりない。
昔のことを言われて、さすがに今はもう大人になったユキがふくれることはなかったが、
その代わりに恥ずかしそうに頬を染めた。
それはまるで少女のような……そう、真田が思い出した18歳の頃と変わらぬ初々しい表情だった。

「真田さんったら。もう20年も昔ですよ。私だって変わっています」
「いや、変わらなさいさ」
「それは……何だかフクザツです」
「はははははっ」

昔話が、心にほんの少しの痛みをともないながら緊張をとかしていく。
時は優しくゆっくりと過ぎていった。



陽は傾きかけていた。
二人は椅子に腰掛けると、お茶を楽しみながら静かに夕陽を見つめている。
カチャッと、小さな音をたてて真田の手からカップが置かれた。

「あいつは今頃、どうしているだろうな」

ぼんやりと、夕焼けに染まる街並みに眼を向けながら、真田がつぶやく。
“あいつ”と聞くとユキは俯いた。
手に持ったカップの中で、頼りなげに揺れる紅茶を見つめながらぽつり……と答える。

「そろそろ、何かを見つけたかもしれません」
「ん?連絡があったのか?」

真田はユキの言葉に、もしやと思いやや明るい声で問い返したが、
ユキは俯いたまま「いいえ」と首を振ると、

「ただ、そんな気がするだけです」

とだけ言った。
先ほどとはまるで違うユキの姿。
夕陽に照らされる彼女の横顔は、あまりに儚い。そんなユキを励ますように、真田は言う。

「そうか。だが君がそう思うならそうだろう。昔からあいつのことをよく理解している君だからな」
「私は…結局何も出来ませんでした。苦しむ姿を見ているだけで、何も……」

真田の励ましにもユキの表情は晴れない。
顔をあげることなく、俯いたまま微かに肩を震わせて、力なく自分の無力さをつぶやいていた。

「そんなことはないだろう」
「え?」

自分の言葉を否定されたユキが、驚いて顔をあげると真田が穏やかな表情で彼女を見ていた。
その時、ユキははっきりと感じていた。
今、自分を見つめる真田は長官としての顔をしていない。
かつて兄のように古代を、自分を、仲間たちを見守っていた時と同じ顔だと。
いつだってそうだった。
真田は悩み、苦しみ、時に衝突しながら進んでいく自分たちを見守り、導いてくれた。
あたたかくて頼りになる存在だった。
そんな真田が今もユキの前にいる。真田は、あの頃と変わっていなかった。

「ちゃんと送り出したじゃないか。それは、誰にでも出来るわけじゃない。
あいつを理解し、信じることが出来る君だからこそだ」
「でも……」
「そしてこうして待っている。帰るべき場所を守り、何も言わず、変わることなくあいつを信じて。
それはあいつにとって何より心強いことのはずだ」
「真田さん……」
「自信を持て、ユキ」

ユキの瞳が、ゆらゆらと揺れていた。
だが揺れる瞳から、雫がこぼれることはなかった。こぼれることに懸命に抵抗している。
戻れるわけはない。古代も、自分も。ユキにはそれが分かりすぎるほど分かっていた。
だが失くしたくはない、変わりたくはないと、心はあの頃を無意識に追いかけていたのかもしれない。
そんなことをしなくても変わらぬものは確かにあるのに、
変わらないと言ってくれる人がいるのに。
それをいつの間にか見失って……。
古代だけではない。自分だって見失っていたのだと思い至ると、
ユキの、ゆらゆらと揺れていたその瞳が、やがて静かな輝きを放ち出した。
そして真っ直ぐに真田を見つめて告げる。

「あの人は……古代は必ず帰ってきます。」

真田が、黙って頷く。

「帰ってくれば、自分の役目を思い出すでしょう」
「ああ」
「その時のために真田さん、どうか……」
「分かっている」

真田の言葉にユキは笑みを見せた。
それは、あまりに晴れ晴れとした笑顔。
この先、ユキ自身が挑まなければならない困難すらも、真正面から受け入れる微笑みだった。


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コメント

古代くんなら

復活編を全く復習してない私ですが
やってまいりましたよ(笑)

古代くんがいない時に…ユキが使命を
持って出航して…
そして行方不明になって…

映画館で一人で観てて…この辺りでは
もう苦しかったのよーく覚えてます

出航する経緯にこうして真田さんは
絡んでて…最終的に長官としてその命
をくだした
(ユキちゃんの決意は覆せなかった)

なんかしっくりしましたね

古代くんならきっと…
確かにそうですね
飛び出してくだろうな

だからヤマトを古代くんに残した
違うかな(*^^*)?

離れていても繋がってる2人

本編で直接のエピはなかったけど
古代くん親子の会話の中に夫婦の
深い心の繋がりを感じ取れたかも

複雑な気持ちでしたが…復活編を
好きな人が多いのにも最近は以前より
納得してます

会えないままなんて…違うだろ!
会わしてやらんかー!

結論
続編やらにゃ(ーー)❇️…です(笑)

みすず #- | URL | 2017/10/13 23:08 * edit *

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

# |  | 2017/10/14 21:28 * edit *

Re: 古代くんなら

みすずさま
こんばんは。コメントを有難うございます。
お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。

>古代くんがいない時に…ユキが使命を持って出航して…
>そして行方不明になって…
>映画館で一人で観てて…この辺りではもう苦しかったのよーく覚えてます
ねぇ。古代くんがいない時に(いる時でも嫌なんだけど)
ああいうことになるのって、やっぱり観ててシンドイですよね。



>出航する経緯にこうして真田さんは絡んでて…
>最終的に長官としてその命をくだした
>(ユキちゃんの決意は覆せなかった)
>なんかしっくりしましたね
実際は分からないのですが
(我が家には資料がないのでその辺の設定があったとしても知らない)
何となく、ユキの性格からしてそんな感じがしたので。

>古代くんならきっと…確かにそうですね
>飛び出してくだろうな
これもね、やっぱり性格考えるとそうだと思うのです。
実際、真田さんの台詞にもそんな一言があったと思うし。

>だからヤマトを古代くんに残した違うかな(*^^*)?
あの危機に古代くんが乗るのはヤマトだと考えたのでしょうねぇ。

>離れていても繋がってる2人
>本編で直接のエピはなかったけど
>古代くん親子の会話の中に夫婦の深い心の繋がりを感じ取れたかも
娘は父に反発していましたが、その娘と話す時の父の言葉には
妻の生存を信じて疑わない気持ちが出ていたと思いますね。
それは感じていたんじゃないかな。ユキが生きていなかったら
きっと古代くんの心は死んでしまってると思うから。

>複雑な気持ちでしたが…復活編を好きな人が多いのにも最近は以前より
>納得してます
あまりに独特な印象の物語だから抵抗がある人も
少なくないんじゃないでしょうか。
私も観るまでは結構こわかったから。

>会えないままなんて…違うだろ!会わしてやらんかー!
>結論
>続編やらにゃ(ーー)❇️…です(笑)
そうですね。再会させて、ちゃんと古代くんが
ヤマトを卒業してほしい。それが私の願いです。


亜矢 #- | URL | 2017/10/15 20:29 * edit *

Re: タイトルなし

○○○ーさま
こんばんは。コメントを有難うございます。
お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。

ユキが移民船団の責任者となる際には
真田さんとは何らかの会話はあったと思います。
実際、古代くん帰還後の真田さんの言葉からもうかがえるので。

地球の危機をまだ知らない古代くんのためにも
ユキは決意したのではないかなと考えます。
たとえ離れていても、彼のために出来ることをしたかったのではないかな。

今はどこにいるのか…
でもきっと古代くんは探し出すのではないでしょうか。
そうして今度こそ、ヤマトをきっちり卒業して
ユキと、ユキのために生きてほしいな。
そんな新しい人生を歩みだす古代進を見たいと思っています。

一報?
はい、その時はもちろん!ワープにワープを重ねて
うかがいますよ(^o^)丿

亜矢 #- | URL | 2017/10/15 20:37 * edit *

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