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ロマンノカケラ

あくまでも、ひっそりこっそりヤマトを語る……つもりのブログ。

はじめに…

いらっしゃいませ。
本日は【ロマンノカケラ】にお越しくださいまして有難うございます。

当ブログは宇宙戦艦ヤマト(Part1-復活篇)に関する管理人の思いや、
二次小説が主な話題となっております。
2199、2202について検索等されてお越しいただいた方には大変申し訳ございませんが
そちらに関する話題は、あまり多くはございません。

そのようなブログではございますが、
「構わないよ!」と思っていただけましたら、
どうぞ、ゆっくりと遊んでいってください。

楽しいお話が出来ればと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
最新記事はこの記事の下からになります。

桜纏う君 

2018/03/28
Wed. 22:44

皆さま、こんばんは。管理人です。
公私ともに色々あり(笑)、小話どころか普通の記事を書くこともなく
広告が出て久しいなぁ~なんて思っていたのですが
桜の季節になると、何か書きたくなるものなのでしょうか。

時期は「永遠に」以前。
色々でっち上げ設定です。
司令部の建物内がどうなっているか知らんし
話の都合上勝手に考えました。
あと2年くらい前に同じ「永遠に」以前の設定で
桜の時期を書いたけど、その時は二人都内で一緒に桜見れない設定だったし。
もはや自分の他の小話の設定も完全無視の内容です。

何を書こうと思ったかと言えば
ただただ、ユキが大好きでしかたがない古代くんを書こうと思っただけ(笑)
それが少しでも伝わったら嬉しいかな…なんて。

そんな感じですが、お付き合いいただける方はこの先へお進みください。



- 桜纏う君 -


地球防衛軍司令本部。
一般に知られてはいないが、敷地内にはさほど広くはない中庭がある。
春のある日の夕暮れ時、三階の会議室エリアからガラス壁で囲まれた中庭を見下ろす者がひとり。
宇宙戦艦ヤマト艦長代理、現在は第10パトロール艇の艇長を務める古代進だった。
古代はガラス壁に背を預けながら中庭のある一点を見つめている。
その瞳は限りなく穏やかで、そして優しい。

中庭の中央からやや外れた位置には大きな桜の木があった。
それは今まさに満開の桜だ。
薄紅色の花びらたちが重なり合い、互いをより美しく輝かせている。

だが……

古代にとっては、そんな桜の姿すら霞んでしまうくらいに
美しく、優しく、穏やかに、嫋やかに、そして可愛らしく咲く愛おしい花がそこにあった。
一年のうちのほとんどを暗黒の宇宙で過ごす古代にとって、
地上に降りたわずかな時間、彼を心安らかにさせてくれる大切な大切な存在。

それは、古代が一生に一度しかないと秘かに自覚する恋の相手。
その腕にとじこめれば、安らぎとともにときめきを感じる存在。

古代にとって、そんな存在である婚約者の森ユキが、桜の木のそばのベンチに腰掛け本を読んでいる。
古代は今朝、パトロールから戻った。その足で司令部に赴き報告書を作成。
提出が済めばお役ご免となるため、ユキと中庭で待ち合わせていたのだ。

「ユキ……」

古代は、誰にも聞こえないくらいの小さな声で、愛おしいその名をそっと囁いてみる。
そっと、人差し指でガラス越しに触れてみる。
もちろん、ユキは気づかない。

「ユキ……」

古代はもう一度、嬉しそうにその名を呼ぶ。
やはりユキは気づかない。それでも古代は楽しそうだった。

一人。
また一人。
時には2~3人のグループが、
ベンチに腰掛けるユキに声をかけていく。

古代も知っているユキの同僚の女の子。
「ユキさん、お先に失礼します」
「お疲れ様~」
そんな明るい声が聞こえてきそうな雰囲気だ。
ユキが、司令部勤務の女性達にも慕われているのがよくわかる。

続いてヤマトの仲間たち。
「あれ?ユキさん、何してるんですか?」
「うん、ちょっとね」
「あっ、古代さん待ち?相変わらず仲がいいですね〜」

なんて言われているのだろうか?
ちょっと恥じらっているように見えるユキがたまらなく可愛い。

ん……?と古代は眉をひそめる。体もゆっくりとガラス側へ向けた。
古代の目は、優しくユキを見つめていた時とは真逆に、鋭く厳しく光り始める。
見かけない顔の男がちゃっかりユキの横に座ってなれなれしく話しかけていたからだ。

(何だ、あいつは?俺がいないと思ってちょっかい出してるのか?)

古代が、ちょっと面白くなさそうに口をへの字に曲げた時、
ユキがかるく笑ってひとことふたこと。
するとその男は、がっくり肩を落として去っていった。

よしよし。
さすが、俺のユキ。
笑顔は余計だけど、あれは営業スマイルだから大目にみるか。

なんて一人、満足していると、

「悪趣味だな、お前も」

ふいに背中から声をかけられる。
声の主は参謀を務める兄の守だった。

「な、なんだよっ!」

ユキにだらしなく見惚れているところを見つかったと思ったのか、突然の兄の出現に焦る古代。
そんな弟に兄は追い打ちをかけるように言う。

「さっさと行けばいいものを、モテる恋人を遠くから観察とわな」
「ちっ!そんなんじゃないよ。だいたいさっさと行けないのは兄さんのせいだろ?」
「おい、いつも言ってるだろ。ここで兄さんはよせ」

そう釘をさすと左手を差し出す守。古代は不貞腐れながら手に持った資料を守に渡した。
古代の言う通り、彼はユキを観察しようと思っていたわけではない。
守に報告書を渡すために待っていただけだ。
会議中の守を参謀室で待たず会議室前で待ち構えていたのは、
一刻も早く用事を済ませ、ユキのもとに行きたかったからだ。

「ったく。報告書なんて今時データ送れば処理できるのに、持って来いっていうから」
「おいおい。かわいい弟が無事に帰還した姿を確かめたいという兄さんの心遣いが解らないのか?」
「何だよ、自分だって言ってるじゃないか」
「上官に向かってその口のききかたはなんだね?古代艇長?」

急に上官ぶった言い方をされた古代は仰々しく敬礼をすると、

「はっ、申し訳ございません、古代参謀」

と、こちらもわざとらしく謝罪する。
まるで茶番のようなやりとりに互いに可笑しくなって、どちらからともなく笑い始めた。

********

「気づいたみたいだな」

先に笑いをおさめた守が言う。

「えっ?」

守がちょいちょいと指をさす方に目をむければ
そこには古代を見つめてにっこりと笑うユキがいた。

「あっ……」

緩やかに桜の花びらが舞う中で、古代を見つめて佇むユキ。
その姿は、まるで桜の花を纏ったように美しく清らかだ。
一瞬、別世界の、手を触れてはならない、とてもとても尊いとすら感じるその姿。
だがその中で……
古代に向けられていたのは、ユキの本物の笑顔。
無邪気に、無防備に、あまりにも輝いて、あまりにも可愛いらしい笑顔。

神でも妖精でもない、自分だけを見つめて、自分だけを愛してくれるひと。
いつでも、どんな時でも、たとえ全宇宙が自分を否定したとしても、
受け入れて味方になってくれるひと。

出会って数年……
今でも古代は、ユキを見る度に新しいときめきを覚える。
そして今この瞬間もまた魅せられていた。

「早く行ってやれ」

兄の言葉にハッとして、古代はふりかえる。

「春とは言えまだ冷える。あんまり待たせると風邪をひかせるぞ」

守は、そう告げると手をひらひらと振りながら去って行った。
兄の背中を一瞬だけ見送った古代は再びガラス越しにユキに向き直ると、

(今、行くよ)

と口だけを動かし嬉しそうに笑う。
その笑顔を受けて、ユキもまた極上の微笑みを返す。
再会した恋人たちは、ようやく自分のもとに訪れた春のあたたかさをかみしめていた。


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コメント

No title

こんにちは。
何気ない待ち時間に、古代君と守兄さんとの関係、そして、雪との関係がよく分かっていいですね。
「永遠に」以前に、こんなことがあったらどんなに素敵なんでしょう!

ゆきんこ #- | URL | 2018/03/29 05:00 * edit *

春ですね

今の季節にぴったりな、素敵なお話を
どうもありがとうございました。

古代君と雪ちゃんが直接会話をしている場面はなくても
二人の態度や想いの表現だけで
どれだけ愛し合っているのかが
すごく伝わってきました。

このお話、亜矢さんが書かれたお話の中で
ベスト5に入るぐらい大好きです。
きゅんきゅんきゅんさせて頂きました。

私の脳内ではしっかり富山さんの古代君と
広川さんの守さんで会話が成り立っておりました(笑)

お忙しいとは思いますが
また素敵なお話が浮かんできましたら
是非読ませて下さいね!

みきこ #EBUSheBA | URL | 2018/03/29 20:06 * edit *

Re: No title

ゆきんこさま

こんばんは。コメントを有難うございます。
お返事が遅れてしまい申し訳ありません。


>何気ない待ち時間に、古代君と守兄さんとの関係、
>そして、雪との関係がよく分かっていいですね。
有難うございます!
そう言っていただけて嬉しいです(*^^*)
日常の兄弟…もっともっと書けたらいいのですが難しい~(^^;)

>「永遠に」以前に、こんなことがあったらどんなに素敵なんでしょう!
イスカンダルから帰ってきた守さんが地球で過ごした期間は短いものでしたが
その頃に、弟とその恋人と…優しい時間を過ごしてくれていたと思いたいですね。

亜矢 #- | URL | 2018/03/30 22:55 * edit *

Re: 春ですね

みきこさま

こんばんは。
コメントを有難うございます。

>今の季節にぴったりな、素敵なお話を
>どうもありがとうございました。
桜は…やはり何か特別なのでしょうか。
この季節は桜で書きたいという気持ちになります。

>古代君と雪ちゃんが直接会話をしている場面はなくても
>二人の態度や想いの表現だけで
>どれだけ愛し合っているのかがすごく伝わってきました。
有難うございます。
深く深く想いあう二人は言葉がなくても互いを理解しあっていると思うから
今回は直接言葉をかわす場面は入れなかったのですが
いやいや、やっぱり難しいです~💦

>このお話、亜矢さんが書かれたお話の中で
>ベスト5に入るぐらい大好きです。
えっ?そ、そんなに?嬉しいです(*^^*)

>私の脳内ではしっかり富山さんの古代君と
>広川さんの守さんで会話が成り立っておりました(笑)
も、もったいないお言葉!有難うございます!

>お忙しいとは思いますが
>また素敵なお話が浮かんできましたら是非読ませて下さいね!
はい、頑張ります。
今後とも、どうぞよろしくお願いします!

亜矢 #- | URL | 2018/03/30 23:07 * edit *

くーーーっ(///∀///)

兄さんのセリフにコクコク頷いてます(笑)
悪趣味め(笑)

でもちょっとわかります
婚約した今も古代くんはユキちゃんに
淡くときめく恋をしてる
こっそり見えないとこから恋人の可愛い
ところを自分だけで楽しみたい気持ちは
分かるかも( *´艸`)

どんなに綺麗で可憐な桜もユキちゃんの
笑顔にはかなわない

読みながら「早く行ってやれ」と背中を
どつきたくなりました♥️

可愛い彼女を待たせるな
この古代くん見てると保護者気分の自分
が確かに存在します(ФωФ)❇️(笑)

可愛いお話をありがとうございました

みすず #- | URL | 2018/04/01 09:44 * edit *

Re: くーーーっ(///∀///)

みすずさま

こんばんは。コメントを有難うございます。
お返事が遅れてしまいました、申し訳ありません。

>兄さんのセリフにコクコク頷いてます(笑)悪趣味め(笑)
はははっ、言われちゃった~、古代くん。


>こっそり見えないとこから恋人の可愛いところを
>自分だけで楽しみたい気持ちは分かるかも( *´艸`)
ふふふ。普段は勇ましい古代進も、
恋人を見る時はそんなだったりする~なんて姿を書いてみました~

>どんなに綺麗で可憐な桜もユキちゃんの笑顔にはかなわない
古代くんにとっては特に、何よりも輝いているでしょうからね~

>読みながら「早く行ってやれ」と背中をどつきたくなりました♥️
どついちゃってください~( *´艸`)

>この古代くん見てると保護者気分の自分が確かに存在します(ФωФ)❇️(笑)
あいつは保護者が多いなぁ~(笑)

>可愛いお話をありがとうございました
こちらこそ、読んでいただきまして、
そして感想をいただきまして、有難うございました!!

亜矢 #- | URL | 2018/04/02 21:38 * edit *

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